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「え~、嫌々ながら実行委員になりました真田 勇貴ですが、任された以上は全力で盛り上げていくんで、最高の思い出作ってくぞゴラァ!」
気合い一発で俺は決意表明を叫んだ。
だけどさぁ、どうして皆さんは俺の後に続かないわけ?
ここはノリで「オー!」とか言うもんじゃないの!? なのに反応なし……。
しかも冷たい視線が……。
俺……泣いていいっすか?
「は~い! お二方ありがとうございました! てなわけで文化祭はこの二人を中心に活動するからよろしく~」
このクソヤロォ~! もとはと言えばテメェの一言だろうが!
何が「俺に任せろ!」だよ。ただたんにお前が楽しみたいからだろうがぁ!
そんな愚痴を心の中でこぼしながらも、俺は浅田に声を掛けた。
「まぁ頑張っていこうぜ?」
無理に作った笑顔で浅田にそう言ったが、彼女の反応は冷たい。
「…………」
シカトかよ……。目を合わせようともしないなんて……。こりゃ先が思いやられるぜ……。
そう思っていると山田が俺の耳元で小さく呟いた。
「浅田の男嫌いを直すチャンスだ! まっ! 頑張れよ!」
何が頑張れよだよ……。男嫌いを直す前に俺の心が折れそうだって……。
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