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そして、僕はフラフラと自分の家に帰ろうとしていたが、如何せんそのまま帰っても面白味がない。
「起きたのは良いけど、これからどうしようか…
正直、帰っても寝るか、勉強するかで、やることがないからな…」
僕は生憎にも趣味もこれと言ったものが無いのだ。
最初の頃は、サッカーやバスケとか運動関係のものをやったが、直ぐに飽きが来てやらなくなった。
そして、その頃にいた数少ない友達からプラモデルや絵を描くことなどの文化系もやったが、これらもダメだった。
だから、何も興味がなく、何も求めないから、こうなってしまったんだと思う。
「全く、我ながら、本当に人間のクズだな…
しかし、本当にやることがない…
父さん達が帰ってくるのは夜遅くだし、今帰ったら帰ったで、多分あの人が待ってるだろうしな…
はぁ…」
僕は正直、人と絡んでいくのが死ぬほど苦手なので、今おそらく僕の家で待ってるであろう人のことを思うと、ついため息をついてしまった。
「あの人は、無理やりにでも絡んでくるから嫌なんだよな…
僕のことなんて、ほっといてくれれば良いのに。」
まぁ、どの道遅かれ早かれ、あの人に会う羽目にはなるんだろうなと、思ったので、時間をつぶす為に、しばらく商店街やゲーセンなどをフラフラすることにした。
「疲れた…
って、あの人に会う前から疲れてたらマズいじゃん…」
結局、商店街やゲーセンの人混みに10分ぐらいで酔いかけたので、僕はしばらく近くの公園で椅子に座ってぼんやりとしていた。
「ようやく五時過ぎか。
仕方ない、まだ早いけど帰るか。」
そして、公園の外に出て、家に帰ろうとすると…
「ううっ…」
僕の視界に『道の真ん中で倒れてる何か』がいた。
いや、正確には人の形をしているので、『道の真ん中で倒れてる人間』がいた。
長い銀髪や声からして女性であることはわかった。
普通の人なら、助けて介抱をしたり、救急車を呼んだりするだろうけど、僕は面倒だからそんなことはしない。
正直、自分のことで精一杯な人間が、他人を助けることはできるだろうか、いやできない。
生憎、携帯も家に置きっぱなしなので、救急車を呼ぶこともできない。
「悪く思わないでくれよ。」
僕は、そう言いながら、倒れてる彼女の通り過ぎようとした。
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