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それも全て見られてたってことになるんじゃないの? 何かそれって、いじめられっ子の図が先輩の中に出来てるんじゃない? それは嫌… 「別に俺、いじめられてるとか思ってないからな?」 私の心を読んだかのような一言。 なんだろう、この人。 私が嫌だと考えることをしない。 現に、先輩とのこの距離。 私はいつもの定位置、フェンスに持たれて食べているのに対して、先輩は扉の横の壁に背を預けて食べている。 2人の距離は3m以上。 私、そんなの言葉にしてない。 それをあの女子たちに聞かれたら何されるかわからないから。 でも、この人は何故か知ってる。 「先輩、1つ質問してもいいですか?」 「ん?」 「この距離は偶然なのか、知っていてなのか。どっちですか?」 ポッカリ空いた先輩と私の間を指差す。 「知ってて開けた。5月だったかな、昼、宮野、外に呼び出されてたろ?確か…ダークブラウンの髪した男に。そんとき気づいた。距離も重要なんだなって。」 「そう…ですか……」 すごく前から私の事知ってたんだ。 確か、ここでお昼食べるようになったの4月中旬だったから、もしかしたらその時から私の事知っていたかもしれない。
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