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「…あの、女3人脅してた事?」
うあっっ!!
やっぱり見られてた。
言い当てられ、身体がビクッと跳ねた。
俯いた状態で小さく肯定する。
絶対嫌な女だと思われた。
性格悪いと思われた。
穴があったら埋まりたい。
入るだけじゃ気が済まない。
いっそ生き埋めにして下さい。
「でも、あれ、演技だろ?」
へ?
……えぇ?
ま、待った、今何て?
確かに「演技」って聞こえた。
でも
「どうして……?」
思わず勢いよく顔をあげると先輩と目があった。
その目は軽蔑でも何でもない、普通の目。
彼は優しく微笑む。
「だって、宮野、目が“ごめんなさい”って言っていたから。眼鏡外して見下すような視線送っていたけど。すごく悲しそうな目をしていた。」
な……んで?
この人、私の事わかり過ぎじゃ…
今まで演技で自分を強く見せて周りを上手く騙してきたのに。
何故彼には通じないの?
驚きで何も言えずに固まってしまう。
「…ごめん。深入りしすぎだね。今の、気にしないで。もし不愉快な気持ちにさせたなら謝る。」
とても悲しそうな目で私を見る先輩にドクンッと大きく心臓が跳ねた。
知ってる。
私、この目を知ってる…?
わからない。
何でそんな事を思うの?
「ところで、宮野、弁当全然減ってないぞ。早く食べないと終わっちゃうよ?」
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