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「先生あてになんないからさ、ウチらが没収して処分してやるよ!!」
突然腕を掴まれたかと思ったら、無理やり立たされ、後ろに立つ2人へと物のように投げられた。
3人ともキャハハッと汚なく笑い私の服をつかみ上げる。
これ、我慢ならない。
ここまでされて黙ってるほど、私は弱い人間じゃない。
「……っさい。」
他人と話すのっていつぶりだろう?
「はぁ?」
久しぶりに話す言葉がこんな言葉だなんて。
「五月蠅いっつてんの!!」
罵倒だなんて。
掴まれた腕を思いっきり振り払う。
突然の反抗に驚く女子3人。
この反抗は本心からじゃない。
本当は怖くて怖くて仕方がない。
だから自分を強く見えるために演技しよう。
相手を脅して牽制するために。
「お前さぁ、何様なわけ?毎日毎日、鬱陶しいんだよ!!」
メガネを外し、目つきを悪くする。
滅多に出さない低い声。
私の態度の豹変に彼女達の顔色がどんどん変わっていく。
メガネ外したのなんて相手の顔をはっきり見ないためなのに。
「大体、私の何を知ってそんなこと言うわけ?」
屋上の入口へと一歩一歩追い詰める。
大丈夫怖くなんかない。
これでさらに誰も寄ってこなくなったとしても…構わない。
言いたいこと全部言ってやる。
「ね、聞いてる?」
あっという間に扉の前。
ペタンッと首謀者が座り込んで怯えている。
怯えるくらいならやらなければいいのに。
彼女が恐らくクラスで権威を振るっているのだろう。
いつも彼女は取り巻きの女子を変えて私の元へやってくるから。
最初は………どんな理由だっけ?
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