§1

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「先生あてになんないからさ、ウチらが没収して処分してやるよ!!」 突然腕を掴まれたかと思ったら、無理やり立たされ、後ろに立つ2人へと物のように投げられた。 3人ともキャハハッと汚なく笑い私の服をつかみ上げる。 これ、我慢ならない。 ここまでされて黙ってるほど、私は弱い人間じゃない。 「……っさい。」 他人と話すのっていつぶりだろう? 「はぁ?」 久しぶりに話す言葉がこんな言葉だなんて。 「五月蠅いっつてんの!!」 罵倒だなんて。 掴まれた腕を思いっきり振り払う。 突然の反抗に驚く女子3人。 この反抗は本心からじゃない。 本当は怖くて怖くて仕方がない。 だから自分を強く見えるために演技しよう。 相手を脅して牽制するために。 「お前さぁ、何様なわけ?毎日毎日、鬱陶しいんだよ!!」 メガネを外し、目つきを悪くする。 滅多に出さない低い声。 私の態度の豹変に彼女達の顔色がどんどん変わっていく。 メガネ外したのなんて相手の顔をはっきり見ないためなのに。 「大体、私の何を知ってそんなこと言うわけ?」 屋上の入口へと一歩一歩追い詰める。 大丈夫怖くなんかない。 これでさらに誰も寄ってこなくなったとしても…構わない。 言いたいこと全部言ってやる。 「ね、聞いてる?」 あっという間に扉の前。 ペタンッと首謀者が座り込んで怯えている。 怯えるくらいならやらなければいいのに。 彼女が恐らくクラスで権威を振るっているのだろう。 いつも彼女は取り巻きの女子を変えて私の元へやってくるから。 最初は………どんな理由だっけ?
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