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その後からだ。
彼女達が意味のわからないことを言いに来るようになったのは。
告白してきた男子は彼女達の中でかなり人気だったらしい。
私は長い間男子と極力関わらないようにしていたから、それがカッコイイとかそういうのは理解できなかった。
「も、嫌だ…。」
ポロポロと止めどなく流れる涙をカーディガンの袖で拭う。
久しぶりに誰かと話したのに。
…いや、私が一方的に言っただけか。
それに本心じゃない。
もう学校で誰かとは楽しく話すことなんてないんだろうな。
「ははっ…」
力なく笑い空を見た。
そこには変わらず綺麗な空がある。
はずだった。
「あ、れ…?」
あったのはぐにゃりと色も形も歪になった空。
また、か。
この歪みは倒れる前兆みたいなもの。
とりあえず何かにつかまらないと。
目の前にあるフェンスに手を伸ばすが届かない。
どうしよう、身体が傾いて、あ、あ、た、倒れる!!
「――――――っ!!」
………あれ?
痛くない。
顔にあるはずのない陰がある。
相変わらず歪んている世界だけど、それが人の形をしているのはわかった。
顔は確認できないけれど。
「……ぃ、…大……?悠………」
激しい目眩のせいで意識が朦朧とする。
「悠理!悠理!!おい!」
そう言っているのはわかったけれど。
意識はだんだん遠のいく。
私の名前を呼ぶあなたは誰―…
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