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   § § § § § 「………。」 …? ここ、保健室? 私は、確か屋上で倒れて… 考えながらゆっくり身体を起こすと仕切りのカーテンから人が入ってきた。 「お?目覚めたか。宮野、気分はどうだ?」 「あ…古川先生……。」 入ってきたのは校医の古川先生だった。 「ごめんな、俺で。今水野先生出張中でさ。」 フレンドリーですごく気が利く、男女共に人気な先生。 だけど、男性。 保健室には男女1人ずつの先生がいて、1人は古川先生、もう1人は私がいつもお世話になっている水野先生。 2人共私の事情を知っていて、古川先生は極力私の近くにいないようにしてくれている。 とても申し訳ない。 「いえ、いつもすみません。大分楽になりましたが…」 私は何故保健室にいるのですか?とは聞けない。 体調が悪いからここにいるのでしょう。 私が何を言いたいのか察してくれたのか、私の疑問を古川先生が口にした。 「ここに誰が連れてきてくれたか、だろ?」 「はい…」 「いやー、俺、いいモン見せてもらったよ。」 「……は?」
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