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何故か古川先生は嬉しそうに話しだす。
てっきり名前を教えてくれるかと思ったのに、見当違いな返答。
「いや、今にも壊れそうなものを運ぶかのように宮野をこう抱き上げてさ…」
「え、えぇ?あ、あの…」
「ま、所謂“お姫様抱っこ”ってやつ?」
ニコッと笑って言う先生にただ口をパクパクさせることしかできない。
うわぁ……
眠っている間に知らない人にそんなことさせてしまうなんて。
お礼しないと…!!
「あのー…その、誰が運んでくれたのか教えてほしいです…」
私が口をパクパクさせている間も嬉しそうに、かつ楽しそうに話す先生に申し訳ないのだけど。
「あぁ、平尾だよ。知り合い…なわけないか、1コ上だし。」
だ…誰?
平尾…先輩?
知らない知らない。
部活入ってないから上の学年との接点全くないし。
んークラスに行って呼んでもらってお礼すればいいかな?
「クラスってどこですか?」
「あーえー…平尾、なぁ…」
ただクラスを聞いただけなのに妙に口を濁す先生。
良く分からず首を傾げる。
ま、まさか不良?
「平尾…は特進だよ。だけど、その、な、多分クラス行ってもいねーぞ?」
…へ?
何故いないの?
やっぱり不良?
…なわけないか。
特進って優秀な人しかいないクラスだし。
その中に奨学生がゴロゴロいるんだし。
あ、でも授業がつまらなくてサボってるとかならあり得そう。
私のクラスにもいるし…
若干1名、遅刻早退欠席が多い子いるし。
「別にサボりじゃないからな?根は真面目な奴だから。ただ、遅刻早退欠席が多くてな。色々あってなー…サボりじゃないぞ?」
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