第2章 名探偵ごっこ

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本館1階の端にある教室に入り適当な席に着いた時、まだ参加者の事を聞いていなかったことに気づき、ノムさんに聞いた。 「あの、僕参加者のこと何も知らないんですが……」 「ああ、君は初めてだもんな。彼らはここの常連みたいなもんさ。まあ常連といっても廃校になったのは最近だから『よくいる奴ら』程度に思っておいてくれ。」 「他の4人のこと少し聞いてもいいですか? 」 僕が自己紹介をしたときに居た4人の事だ。男女が2人ずつ居たのを覚えている。 「じゃあ須藤君から紹介していこうかな。細身でメガネをかけた男の子が居たろ?彼は須藤 大樹(すどう だいき)といってこの辺りでもランクの高い進学校に通ってるんだ。なんでそんな子がここに居るのかは知らないけど。」 「もう一人の男は葉山 豊(はやま のぼる)っていって、まあ俗にいう不登校の子だよ。不登校なのに制服着てるのは本人いわく『ここも学校だから制服着なきゃだめだよね』ってことらしい。」 「で、髪の長い女の子が居たろ?彼女は木実野 泉(きのみや いずみ)。彼女が名探偵役になったら滅多に負けないってくらい観察力と推理力が高いんだ。一人を除けば最強だよ。」 「次にショートボブの女の子だけど、彼女は槇野 梨穂(まきの りほ)彼女はまあ、ドジな子だよ。」 「4人の事は説明したけど僕と月見里君の事は知らないだろうし一応紹介しておくね。僕は神酒谷 信輝(みきや のぶてる)っていうんだ。ノムさんの由来はわからないけどそう呼んでくれていいよ。」 「最後に月見里 真(やまなし まこと)君だけど、木実野さんが唯一勝てないのがこの月見里君なんだ。犯人役も上手いけど名探偵役も上手い。普段のおちゃらけた態度からは想像もできないような推理やトリックを披露してくれてね。このゲームが一番上手いのは月見里君だよ。」 「月見里君が一番の強敵なんですね、わかりました。みなさん個性があって楽しそうですし、僕もなじめるように頑張ります。」 「ところで月見里君……」 「んぇ? 」 「『真』って呼んでもいいかな……」 「おぉ!俺も一って呼ぶ! 」 まさか真がそんなキャラだったとは思わなかったけど、そんな人と一緒ならきっと楽しいに違いない。 これからの展開が楽しみだ。
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