第1章 転校

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三日後、僕は目覚ましが鳴る20分も前に起きた。 知らない天井が見える。いや、新しい天井というべきか。まだ荷ほどきの済んでいない僕の部屋は段ボールやビニールテープで散らかっていた。 リビングへ行くと母さんは二人分の朝食を作って待っている。 「あれ、父さんの分は? 」 「お父さんね、新しい会社に顔出ししに行ったのよ。最初が肝心だーなんて言って30分も前に出ちゃったんだから。ほら、あんたもさっさと食べて支度しなさい!今日は転入試験なんでしょ! 」 そう、引っ越しの時期が中途半端だったため、公立の入試には間に合わず、仕方なく私立を受験することになった。 その試験が今日ある。 手早く用意を済ませた僕は玄関に向かう。 「行ってきまーす」 最上階からの景色を一瞥し一気にエレベーターまで走った。ちょうど閉まりそうなドアに向かい叫ぶ。 「すいませーん乗りまーす!!」
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