57人が本棚に入れています
本棚に追加
「―‥ッ!」
目を覚ますと、僕はベッドの上だった。
チクタクと、時計の針が鳴り響く。
「‥今、何時やろ‥」
時計を確認すると、針は8月14日の
午前12時過ぎ位を指していた。
日付が、戻っている。
「‥っ、夢‥?」
さっきのは、夢だったのか?
それとも―‥?
‥いや、夢であって欲しい。
‥すばるくんが死ぬ夢なんて‥。
不吉にも、程がある。
不安になった僕は、携帯を取り出し
すばるくんの番号を押す。
『―‥りゅう‥?』
3コールぐらいで、すばるくんが出た。
ほっと、安堵の息を洩らす。
喋り方が若干舌足らずな様子から、
寝ていたのかも知れない。
「‥もしかして、寝てました?」
『‥おん』
「あっ、ごめんなさい‥(汗)」
やはり寝ていたらしく、
不機嫌そうな声のすばるくん。
『‥かまへんけど、どないしたん。
珍しいな?マルがこんな時間に
電話寄越すなんて』
「それは‥」
一瞬、答えに戸惑ってしまう。
〝貴方が死ぬ夢を見て心配になった〟
なんて、言えるわけがない。
「‥ちょっと、すばるくんの声が
聴きたくなったんです」
『‥っは、何それ(笑)』
咄嗟に出た、言い訳。
でも、あながち嘘ではない。
「変な時間にごめんなさい。
すばるくんの声聴いたら、
何だか安心しました!」
『ほうか(笑)じゃ、切るな?』
「はい!じゃ、おやすみなさ―‥」
『‥あ、りゅう!』
電話を切ろうとしたら、
突然、すばるくんに名前を呼ばれた。
「あ、どうしました?」
『‥今日、の昼‥いつもの公園‥。
大丈夫、?』
「あ、はい!大丈夫ですよ!」
『ん。ほな‥おやすみ』
「おやすみなさい、すばるくん」
―‥プツッ
電話を切り、携帯を閉じる。
「ふわぁ‥っ。‥もっかい寝よ‥」
そして布団に潜り、
そのまま眠りについた。
_
最初のコメントを投稿しよう!