魂魄ですが、ナニか?

34/45
14204人が本棚に入れています
本棚に追加
/316ページ
『そうだ、死んだ。 君の愛する者が、君の手に掛かって死んだ』 『雛が、俺の……手で……』 『あぁ、断っておくが君ならあの瞬間、ギリギリで手を止められた。 しかししなかった。 君は、自分が生き残れるなら誰を犠牲にしてもいいと、本能的に決めていたんだ』 『………………う』 毛が逆立つだけでなく、隆志の体から陽炎が見えてくる。 『違う、俺は』 『違わない。少なくとも高橋隆志の“肉体”はそれを選んだ』 『ちがう』 『ソウダ』 ロキの問いに、隆志は“二つの声”で返答した。 途端に、隆志の体は獄焔に包まれた。
/316ページ

最初のコメントを投稿しよう!