1・コイヌとシンジンルイ

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そして今、 それは、とても瑣末なことかもしれないけれど。 『新人類』 健人の言葉と、変化を望んだ僕の気持ちが手を組んだ。 そうさ。僕次第だ。 どうせ深町さんはまたここに来るだろう。 中庭は、僕だけの空間ではないのだから。 僕が、少しだけあそこでの時間を増やしたとして、いや、そんなことをしなかったとしても、鉢合わせすることもあるかもしれない。 いつもなら、誰かがいたら引き返していた。 会話の可能性のある見知った人の好む場所なら、もうそんなところへは足を向けなくなる。たとえそこが、僕の特別だとしても。 けれど、気を張る必要はない。 遠慮する必要も。 それは、今までもそうだったのだけれど……。 別段、意識するわけでもなく、僕は来たい時に中庭に来ればいい。 それが、普通なのだから。 望んだじゃないか、僕は。 相手は、きっかけのひとつでもある深町さんだ。 理由付けなどそれで充分だ。 まずはゆっくり、一人の人に慣れてみるのもいいかもしれない。
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