1・コイヌとシンジンルイ

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「……はぁ~い……」 不承不承の、頷きと声。 「なんだ? そのぶすっとした顔は」 「べっつに~」 不服さを隠さない表情で僕を見据えたまま、伊達さんはメニューを手に取り、オーダーを済ませる。いつもより所作が荒々しいのは、暴れ足りないといった様子だ。 まるで、蛇と蛙のようになってしまった伊達さんと僕を見兼ねて、健人がよく分からない助け舟を出してくれた。 ――うやむやに、その場の空気は和んだものとなる。 「千花には無理なんだな、これが。透に必要なのは“新人類”だ」 「なるほど」 「――、……」 ……健人の言葉の意味が理解出来ない。 伊達さんも、何がなるほどなのか……。
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