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先程のはほんの一例だ。例を挙げればキリがない。
何度苦渋を飲んだことか……
基本、先に挙げた習い事はこれが原因で辞めた。
父親が、心身を鍛える為とのこと、小学生から習い始めた柔道、空手。
思春期になるにつれて男子は僕の相手を避ける様になり、かといって、僕もそれなりに強かったので女子に相手をして貰えてもごく一部の者のみ。次第にそれも限界が見えてきた。
今みたいにそういう状況で、上手く感情の切り替えや、割り切る事は不可能で、他人の感情に敏感な思春期。次第にそんな状況が不愉快になり、通わなくなった。
唯一中学校の部活で始めたテニスは続けられた。公立中学なのでコートは二面、一面ずつ男女で使っていた。男女で練習メニューを考えたり、コートの整備なども共同で行ったりしていた為、他の部活と比べ、概ね男女仲は良好だった。
一緒に切磋琢磨する仲間のイメージがあった為、僕の容姿で練習相手の役目を避けるなどは起きなかった。たまに容姿について言われたりするが、冗談だと分かる範囲での事だし、楽しくスポーツが出来ると言う点で、それらの事は気にならなかった。
しかし、部活動は例外的なものである。学校自体での扱いは高校より酷い。いや、高校は校風がら案外良く受け入れられているようだが。むしろ高校も例外に当たる。
つまり何が言いたいのかというと、僕は比較的体を動かす事は好きなのだが、環境がそれを許さないという事だ。
そんな感じで部活の友人や幼馴染以外に親しい仲の人物などいなかった為、部活以外の日は基本家に引きこもり、漫画やアニメ、ラノベなどに手をだし、飽きて来たら勉強、という容姿とは真逆な内向的な毎日だった。
親からの小遣いやお年玉の八割方はこれらに使われてただろう。
特に酷かったのがギャルゲーへの資金。この容姿の所為で全うな恋愛などできる予感すら微塵も感じられない毎日。そこから解放し、一時的に夢を見せてくれる救済アイテム。それが僕にとってのギャルゲーだ!
まぁ調子に乗って自分に置き換えて妄想すると、大抵百合展開が繰り広げられるのだが……
あれ……おかしいな、目から汗が……あれ?あれ?……止まらないよぉおおおっ!
そう絶叫して、さらに自分の女じみた、そして微妙に喘ぎ声に似た声に、今度は声には出さず心の中で悶え苦しむのだ。
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