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また、高校一年の時、カップルが視界に入るたびに、
「爆死!!」
と、そのカップルに向けて放っている和樹の様子を、端から見てた僕としては、
いつか僕もこうなってしまうのだろうか……
と、危機感を感じていたところだ。
しかしだ。さっきの僕の一部の動機もどうかと思うけど、和樹のことだから、どうせろくでもない動機に決まっている。
「お前も早く卒業したいだろ!童貞!」
「……………」
はなから、それが目的か。
確かに男としてはどうでもいいと簡単に切り捨てる事が出来ないだろうが、彼女が欲しいと言うのには、最低の動機だった。
「まぁ…彼女は欲しいと思う…」
「だったら……」
「だけど、お前の計画には乗らない」
「えぇぇ!!」
「だいたい、何で僕が作戦の要みたいな扱いになってるんだよ!理由を説明してみろ、理由を!」
「それはもちろん、彰の美貌を活かしてだなーーー」
「却下!」
「ーーーってなんでっ?まだ説明終わってないじゃん!」
「何でもクソもあるかっ!要はマスコット的な存在になれってことだろ?和樹、お前、僕がこの容姿に少なからずコンプレックスを持ってるのは知ってるだろ!長ったらしい髪だって切っちまいたいぐらい何だぞ。それを幼馴染2人がもったいないって言うから、まだ許容してるってのに、まだ僕に男としての立場を無くさせるつもりかっ!!」
容姿。
大変認めたく無いのだが、僕の姿は女性に近い。中性的ってより女性より。まつ毛は長く、目も切れ目で凛としている。
伸ばしに伸ばされた黒髪は、横は肩に掛かり後ろは肩甲骨下位まであり、普段は一つにゴムで纏めている。
身長は171。男子学生としては平均だが、女子から見れば高めだろう。これらの事から、自分で言うのも嫌だが、凛としたお姉さん的な女性の完成だ。幼馴染の評価もそうなのだ、嫌な信憑性だ。
ならば、少しは男らしくと、運動で体を鍛えればと、習い事で、昔は空手や柔道など体一つでやれる運動をやってみたが、それなりに体力や技術は身についた。しかし、何故か筋肉はだけは表明的に見えてこない。
それならばと思い、趣向を変え、テニスなどの球技をやってみても一向に変わらず、能力ばかり上がって行く。
何?どんなゲームの主人公ですか?えっLevelとか頭の上に表示されてるの?
と、自分で自分に戦慄したくらいだ。
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