選手紹介

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「まあ、無理もないでしょうね。橋本さん達の話を聞く限りでは、殺人が行われたのはゴールが決まった瞬間、その瞬間に観客席の、それも最後列に注目している人間なんてまずいませんから」 「そうなんですよ。特に、得点シーンはフリーキックからでしたから、見逃す訳にはいきません」  宏太が足柄の言葉に同調する。それは、自分自身が何も目撃していない事に対する言い訳の様でもあり、一瞬、その場に沈黙が流れた。  言葉が途切れるタイミングを見計らっていたかのように及川が戻ってくる。 「警部、どうやら、足柄さんが言うことはその通りのようです」 「そうか」  内海警部はそれだけを応えると、宏太達に礼を言う。
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