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「かぁめ、何かあった?」
…………
「べつに、なんもないって言ってんじゃん」
少しずつ回っていくアルコールのせいで、言い訳を考えようと思っても全然思い浮かばなくて
ひたすらに何でもない、気のせいじゃんと繰り返していた
でも、思いの外しつこいコイツは諦めようとする気配がない
こうなったら、飲ませまくって飲みまくって、お互いに潰れてしまおう
「いいからっ!!
お前ももっと飲めって!!」
缶ビールをどんどんと与えて、グイグイ飲ませる
「ちょっ…!!カメっ
まだ飲みかけ残ってるし」
なんて言う言葉は無視して、自分もコイツに与えた分と同じくらいの酒を消化していった
…うん、思惑通り
大量に与えたビールを飲み干したコイツは、見事に潰れた
これでもう俺の事なんか気にしてられなくなる
ホッとしながら、毛足の長い絨毯に転がって眠っている体に毛布を掛けてやった
でも、許容量を超えたアルコールは、俺をも侵していたようで…
火照った体にぼんやりした頭で見つめた先は
やっぱりコイツの指先…
――触ってみてもいいかな…?
なんて思ってしまったのは、
やっぱり酔って正常な判断能力を欠いていたせいだろう
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