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眠るコイツの傍へ四つん這いになり、そっと近づいてみる
音をたてないようにゆっくり這う自分が、まるで猫のようで何だかおかしい
横になって顔の前で手を合わせるように重ねているコイツの寝顔を見つめ、顔にかかる髪をそっと梳いた
――キレイな顔…
いつもの強い光を放つ瞳が伏せられると、幼さが滲み出てきて
「ふふっ、ガキみてぇ」
ちょっと笑ってしまう
視線を手に移して、しばらく指を眺めてから
――…起きるなよ
そう願いながら、左手を、その指先に近づけた
一瞬触れて、すぐに手を引っ込め
起きない事を確認してから、また手を伸ばす
指先をなぞるようにそっと触れ、その感触を確かめた
やっぱ、女の子と違ってスベスベとか柔らかいって事はなく、思ったよりもゴツめのものなのに
気持ちいいと言うか、安心するって言うか
この手にずっと触れていたい…
そう思うのは、俺がコイツを好きだから…?
触れた手はそのままに、眠っているコイツと同じように寝転んで、フニフニと指を撫でたり自分の指を絡ませて遊んでいると
酔いのせいか、すっげー楽しくなってきて
「やべ、顔がにやけてんじゃん、俺」
呟いた途端、コイツの指に力が入った
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