十年愛

7/9
前へ
/61ページ
次へ
『はいはい、もう弾けちゃってますから』 そう言って仁の言葉を流す 「…俺本気で言ってんだけど…?」 俺の腕を掴んでそんな事言うから えっ…と思いながら仁に顔を向ける 思いのほか真剣な目をした仁に こいつ、酔ってなかったんだ… その目から…逸らす事が出来なくて しばらく見つめ合った 仁の腕に力が入り体が引き寄せられる 抵抗も出来ずに固まる俺をギュッと抱きしめて…キスをした ……あ、この感触 仁に好きな子が出来たと聞いた夜…眠っていた時に感じた感触 唇が離れて、仁を見る 『もしかして…前にも、した…?』 仁は照れたように知ってたのかよって笑う 見る見るうちに涙が溢れ、なんで…?と問うと 「ずっと好きだったから… でも、嫌われたくなくて言えなかった。 お前を忘れる為に他の子と付き合って、結婚も決めて…」 俺ってサイテー…なんて呟きながら、また俺を抱きしめて 「でも、どうしても我慢出来なくて… 酔ったフリして触れる俺を、今だけ許して…?」 ズルイよ…… そんな事言われて、俺が拒めるわけないじゃん  
/61ページ

最初のコメントを投稿しよう!

313人が本棚に入れています
本棚に追加