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バ―カ
俺なんて十年も前から好きだったよ
あいつに、本当に初めて出会ったのは…中学生の時だった
当時、何かあると職員室に呼び出されてた俺
その日も何か説教をくらい、荒んだ気分で職員室を後にした
そこから出た直後、廊下の少し離れた場所から窓の外を眺めているヤツがいた
その横顔に何故か釘付けになり、しばらく見つめてしまっていた
俺の視線に気づいたのか、ふと顔をこちらに向ける
俺を見たその瞳は力強く、とてもキレイで澄んでいた
整った顔にアーモンド型のキレイな瞳。通った鼻筋に少し厚めの唇
その時に俺は、すでに恋に堕ちていた…
初めての恋に…
当然、気持ちなんて伝える事は出来ず
卒業して違う高校に通い、新しい生活を送るうちに忘れていけると思っていた
まさか、卒業後に就職した会社で再会するなんて思いもしなかったんだ…
――あれから十年
自分がこんなに1人の人間に想いを寄せるなんて考えてもいなかった
これから先も仁を想わない時はないだろう
だって、仁は俺の……
これからも、仁のくれた言葉を支えにしていける…
ありったけの気持ちで
仁、俺もずっと愛してるよ…
end
2009.2.16
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