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和也から離れた地で俺は必死に働いた
あいつの事を考えないように…
たまには帰る事も出来ただろうし、連絡さえすれば和也も遊びに来たかもしれないけど…
敢えてそうしないようにした
それなりに彼女なんかも作って徐々に忘れていけたと思っていたんだ…
でも、最後の彼女に言われた言葉
“あなたが好きなのは私じゃないんでしょ?”
んな事ねぇよ……
俺はいつでも好きな子には真剣なのに…
それから2年ぶりに俺は地元へ帰った
2年ぶりに会った和也は何だか更に綺麗になってて…
そんな事言ったら絶対怒るだろうから言わなかったけど
以前と変わらずに無邪気な笑顔で話しかけるお前に、忘れたはずの感情が甦ってきて…
『なぁ、彼女とか出来たのか?』
なんてワザと聞いてみる
でも“いる”って言われたらどうしよう…なんて考えてたら
「おぅ、出来たよ」
って、照れくさそうに答えて…
目の前が暗くなった気がした…
胸が痛くて、何だかモヤモヤした気分になって…
体中にどす黒い何かが渦巻くようだった
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