10年愛

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今日は結婚式当日 控え室で支度を終え、ソファーに座って気持ちを落ち着かせる コンコン ドアのノックの後に和也が入ってきた 「仁…結婚おめでとう 幸せになれよ」 綺麗な笑顔で祝いの言葉を言ってくれた 俺も笑って 『かず…ありがとう』 時が止まったように見つめ合う 微笑む和也の瞳にほんの少しの哀しみを見つけて… ゆっくり一歩ずつ近づいて和也の目の前に立った やっぱり昨夜感じた事は間違ってなかったんだ… 和也も俺を……… 揺れる瞳に胸が痛み、このまま攫って遠くへ行ってしまいたい そう思ったけど、それを和也は望まないだろうから… 最後に力いっぱい抱きしめて… 耳元で囁いた言葉に、和也の体が少し震えた 泣いてるんだと思い、俺はそのまま控え室から出て行く 俺に和也の涙を見る資格はないから… 囁いた言葉は 『これからもずっと、かずを愛してるから…』 これは、神様じゃなくて、お前にたてる誓い… もう抱きしめてやれないけど、ずっと和也を見守っていくから… かずも俺を愛してくれた事、忘れないで…… いつか結婚して子供が出来ても、覚えてて…    
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