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今日は結婚式当日
控え室で支度を終え、ソファーに座って気持ちを落ち着かせる
コンコン
ドアのノックの後に和也が入ってきた
「仁…結婚おめでとう
幸せになれよ」
綺麗な笑顔で祝いの言葉を言ってくれた
俺も笑って
『かず…ありがとう』
時が止まったように見つめ合う
微笑む和也の瞳にほんの少しの哀しみを見つけて…
ゆっくり一歩ずつ近づいて和也の目の前に立った
やっぱり昨夜感じた事は間違ってなかったんだ…
和也も俺を………
揺れる瞳に胸が痛み、このまま攫って遠くへ行ってしまいたい
そう思ったけど、それを和也は望まないだろうから…
最後に力いっぱい抱きしめて…
耳元で囁いた言葉に、和也の体が少し震えた
泣いてるんだと思い、俺はそのまま控え室から出て行く
俺に和也の涙を見る資格はないから…
囁いた言葉は
『これからもずっと、かずを愛してるから…』
これは、神様じゃなくて、お前にたてる誓い…
もう抱きしめてやれないけど、ずっと和也を見守っていくから…
かずも俺を愛してくれた事、忘れないで……
いつか結婚して子供が出来ても、覚えてて…
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