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和也が抱きしめ返してくれて
「仁?何かあった?」
フルフルと首を横に振る
さらに力を込めて抱きしめると
「ブハッ、迷子の子供みてぇだな」
笑いながら頭を撫でてくれた
体を離して俺を見つめる和也
「仁、会いたかったよ」
綺麗に微笑んで言うから
『俺の方が会いたかったし
でも、カズ?撮影は?』
気になってた事を訊いてみた
「そんなの、気合いで終わらせた」
自慢げに言い切って言葉をつなげる
「……なんか、仁が呼んでる気がして……」
傍にいてあげなきゃいけない気がしたから…って
確かに呼んだ……かも
『カズ、すげぇ…』
俺ってば、愛されちゃってる?
なんて、ふざけてみても…実は感動してたりして
早く寝ろと体を横にされて、ベッドから離れていこうとするから
『ここにいて…?』
「………」
きっと、酷く情けない顔してるんだろうな
何も言わずに上着を脱いで一緒にベッドに横になってくれる
いつもとは逆に、和也が俺を抱きしめてくれた
――やっぱ、安心する
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