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レギュラーのスポーツ番組を終え、家に帰ったのは深夜2時を過ぎていた。
地方でのライブ後に生放送は、やりがいがあってもやはりキツくて、くたくたになりながら玄関のドアを開くと、目に飛び込んできたのは…愛しい恋人のブーツ
――今日は来るなんて言ってなかったのに…
心で毒づいてみても、体は素直なもんで
弛む口元を隠しきれない
脱ぎ散らかした靴を揃え隣に自分の分を並べると、寂しく待っていただろう恋人の下へと急ぐ
リビングのドアを開け、“ただいま”を言おうとして止めたのは
この恋人がソファーの上で丸くなり、気持ち良さそうに眠っていたから…。
「ベッドで寝なきゃ風邪ひくじゃん」
なんて呟き、眠っている彼に近づく
肩を揺すって起こそうとした時に気がついた…、手に握られている携帯電話。
読みかけであっただろうそれを読むつもりもなく、ただ何気ない動作で視線をうつせば
そこに浮かんだ文字に釘付けになった
“だーいすきだよ
今度はいつ逢えるの?
早く逢いたい
昨日みたいに、いっぱい愛してね”
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