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またあいつだろうと、着信相手を確認すると…
――えっ…?
思ってもみないヤツからの電話
「もしもし?」
“あ、俺
こんな時間に悪ぃ
今さ、こっちに戻ってんだけど明日とか会えない?”
ヒマなんだよねぇ、ぴぃとか忙しそうで相手してくんないんだもん、って。
――ヒマ潰しかよ(笑)
でも、こんな時に…
いつも、なんでか1人で居たくない時に連絡してくるヤツで
「じ…んっ…」
急に涙が溢れそうになる
“かず…?”
近頃では呼ぶ事のなくなった名前を発したせいで相手もつられ、戸惑うように呼びかけられた。
――ダメだ、心配させちゃ
何にもないような素振りで
「ん、いいよ
つか、何なら今からどう?
俺まだ外だし、明日はオフだから…」
そういうと、コイツ…赤西は
“…マジ!?よっしゃ!!”
なんて、誤魔化されたふりして喜んでいた。
「じゃあ、酒とか買ってそっち行くから…って、あ…」
そうだった…
“なに?どした?”
「財布、持ってねぇ…」
はっ!?何で?って、不思議そうに聞くから
「あー、ちょっと…な」
言葉を濁したら、何か察したのか
迎えに行くから、そこで待ってろって俺の居場所を聞き出した。
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