313人が本棚に入れています
本棚に追加
数十分後、俺を見つけ出した赤西に拾われ、ついでに酒を調達してから赤西の自宅へ向かう。
携帯1つで外にいた事には触れず、いつも通りの赤西の態度にホッとしながら到着したマンションへと入っていった。
リビングにある少し広めのソファーに並んで座り、買ったばかりのビールや肴を広げる。
おつかれ―なんて言いながら、缶をぶつけて一気に飲み込んだ。
何も考えたくないって気持ちで、どんどん酒を飲んでいる俺に気づいた赤西は
「おまっ…、電話ん時も思ったけど、何かあったの?」
そんな事訊かれても…
――男に浮気された、なんて言えるかよ
「んでもねぇ…」
そう言うしかなくて
だって、こいつは知らない。
俺が男と付き合ってるなんて…
別に隠すつもりとかなかったけど、報告するような事でもないし。
何とか、他愛もない話しを振って話題を逸らす。
なのに…
「そういえば、かめって今彼女とかいねぇの?」
――…このKYめっ
「さぁ、どうだろうな…」
曖昧に答えて、同じ質問を赤西に振る。
「お前はどうなんだよ?」
赤西はしばらくウーン、と唸って
「今は、あんま興味ねぇな…」
…へぇ、珍しい。
赤西は女を絶やさないタイプだと思ってたから意外だった。
「じゃあ、何に興味があるんだよ?」
最初のコメントを投稿しよう!