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“今日の和也の様子、おかしいみたいやけど
何かあったんか?”
ライブ終わり、少し高揚した気分のままステージの仲間と話していると、携帯が鳴り響く
突然の内からの電話だけでもびっくりしたのに、内容を訊いて更に驚いたのは
「おかしいって…
どういうことだよ?」
カメが他人に“らしくない”姿を見せるなんて、滅多になかったから
“なんや、わからんけど切羽詰まった感じ…?
俺らじゃ助けにならんみたいやけど”
だから、お前…なんとかしろや…!って、どんな命令だよと苦笑しながら電話を切った
自分が座長の舞台やドラマが始まると、自分を追い込んでしまう癖があるのは昔からで…
だから今回もそれなんだろうな
――ま、とりあえず会って様子見るか
みんなと別れカメのいる局へ向かい、建物から少し離れたゲートに近い駐車場に車を停める
時間を見計らって携帯に電話を入れてみた
トゥルルル…
――出ねぇし…
まだ撮影終わってないんだなぁと思いながら車の中から建物を見つめた
しばらくすると
――あれ?カメじゃん…
って事は何?
俺、シカトされてたの?
車から降りて、カメの後ろから声をかけた
ちょっと腹が立って、トゲのある言い方になったのは仕方ないよな…?
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