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その通りだった。
俺は本当は誰かとこうして戯れたかった。
だけど俺は有名な不良だ。
周りの判断なのにいつしか自分自身がそう思ってしまっていた。
社会のクズになんて友達は必要ない、と。
だからこいつはその俺の本心に気づいてこうやって……。
こいつ小さい体をして大きい器を持っていやがる。
俺は悔しくなり、歯を食いしばり、立ち上がってそいつを見つめた。
「俺も……てめぇみたいな器のデカイ野郎になれるかな?」
俺の言葉を聞いたそいつ背中は「それはお前次第だ」と語っていた。
そう感じた俺は去り行くそいつに向かって、
「五年でお前みたいになってやる!だから五年後またここに来い!成長した俺を見せつけてやる!」
それがあいつとの最後の思い出だった。
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