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苦笑いを煙草の火と共に消し去る。
いいじゃねぇか。
あいつに会うのはまだ先。
俺が本当にビッグになった時に……。
だから明日は人生大一番だ。
辛気くさい表情から顔を真剣にし、ここから見る夕日に合格祈願をした。
その時、後ろから気配を感じた。
なんとも懐かしいようなそんな気配を……。
「お、お前……」
振り向くとそこにはあいつがいた。
「お、お前まさか……俺のことを励ましに?」
よくわからない感情が渦巻き、目から溢れる涙を拭き取りながらそいつに聞く。
そいつは穏やかな優しい視線を俺に送りながらゆっくりと口を開き、懐かしい声音で言葉を発した。
『ニャー』
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