ある不良少年だった人の話

2/11
前へ
/12ページ
次へ
夕暮れ時、俺はある丘の上にあるベンチに座り、煙草を吸いながらボーッと街を眺めていた。 「あれからもう五年か……。早いもんだなぁ」 街を出て初めての帰省。 久々の街を一覧できるこの場所に来て思わず笑みが溢れる。 知らない建物も増えたが昔とそう対して変わらない風景。 夕日に照らされて街はあの頃のまま、俺が一番大好きだった姿をしていた。 「いよいよ明日、か」 煙草を肺にため、一気に吐き出し、そう呟く。 俺はこの街にいた頃を思い出していた。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加