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だが俺はこの時はそんな思いは一欠片も出てこなく、「なに見てんだゴラァ」とガキみたいにガンくれ返した。
俺はここらで有名な不良だ。だからこいつもすぐにびびって消えるだろう。
そう思っていたがそいつは「そんなこと知らない」とでも言いたげに欠伸を漏らしただけだった。
―――なんだこいつ、気味悪いやつだな。
俺の第一印象はそんな感じだった。
その日は仕方なくそいつの隣に座り、お天道様の帰宅を見届けてから家に帰った。
家に帰った俺はあいつのことが頭から離れなくなっていた。
あいつ、俺を見ても、俺の隣にいても俺を邪険しなかったな。
その時、丁度向かいに会った鏡に写っていた自分の笑顔が目に入った。
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