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「ちょっと、どうしたの!?
いつにも増して怖い顔して!」
「ええ、ちょっとストーカーに止めを刺しにね」
翌朝、私は英が驚く位に充実した気配を出していた。
「奴がこの学校の人間だって言うのはわかったから、後はしらみ潰しに探すだけ。私の隙をつけるくらいの強者の様だし、狩りがいがあるわ……」
「……今のあんたの顔を見たら、悪魔も逃げ出すでしょうね」
「さて、早速行きましょ。
ついて来なさい、英!」
「え、ちょっと待ってよ!」
……
「この教室も……、違うわね。」
一年の教室を半分見て回ったが、そいつはいまだに見つからない。
「ねえ静、もうやめない?
皆怯えちゃってるし、ストーカーだって流石に今日は来てないって!」
「いいえ、私の勘が今日も来ていると告げているのよ」
「勘って……、もっときちんとした根拠は無いの?」
「そんなのある訳ないでしょ?
って、いた……」
次の教室を覗いた所で、昨日と同じ女顔を目撃した。
「どうやら、ちゃんと男子の様ね……」
そう呟きながら、私は教室の中に入って行く。
「あなた、ちょっと話があるんだけど」
「!!」
そいつはこの世の物でない何かを見たような驚き方をして、私を呆然とした表情で見つめる。
「言ったでしょ?
あんたの顔は覚えたって」
「……」
「まあいいわ。
さっさと来てちょうだい」
私はそう告げると、そいつの手を引っ張って教室を出て行く。
「いいなあ、あいつ……」
そうボソッと呟いた奴の顔を睨んだ後、私は話をする為に部室へと向かった。
……
「……で、あなた名前は?
それと、ストーカーなんてした目的も聞かせてちょうだい」
「……」
部室に連れて来ても、そいつはだんまりを続けている。
「あのねえ。ここに連れて来られた以上、逃げられないのはわかってるでしょう?
だから、正直に白状した方が身の為よ」
「……」
「ああもう、イライラするわね!
こうなったら、無理やりに白状させてやるわ。これを着なさい!」
私は乱暴に声を張り上げ、部室にある男子用の道着を投げつける。
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