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「聖夜ちゃーん!!」
「聖夜様ぁぁ!!」
「橋本様今お帰りですか!!?」
さっきから僕を見て歓声をあげる生徒たち。
まぁ仕方ないことだよ?だって僕が可愛いから。
この学校で一番僕が人気なんだよ。
当たり前だけどね。
「うん。今日はね、用事があるんだ!皆ともっと一緒にいたかったんだけど…」
少し悲しそうに俯けば周りは顔を赤くして「そんな!お気持ちだけで十分です!」とかなんとか言ってる。
馬鹿だよねぇ。
こんな演技に騙されるなんてさ。
ま、そのおかげで僕の今の地位があるわけだけど。
「聖夜!もう帰るのか?」
周りに演技をしてもう帰ろうかと思った時、生徒会の人達が現れた。
「雅也!うん。今日は用事があるからね」
「そうなのか」
「寂しいなぁ。聖夜が速く帰っちゃうなんてさ」
「確かに寂しいけどそんなこと言ったら聖夜が困るだろ?」
僕ったら、可愛すぎるからこの学校で権力のある生徒会、風紀、教師、学園長、理事長みぃーんなに好かれてるんだ。
僕だけ贔屓される時もあるしね。
でも周りは何も言わないよ?みんなも僕が好きだし。
なにより、
僕に逆らうとどーなるかぐらい、馬鹿でも分かるからね。
「僕も寂しいなぁ…早く明日になって欲しい!そしたらまた会えるもんねっ」
笑顔で言えば瞬く間に顔を赤くするみんな。
勿論生徒会のみんなも。
これだけサービスすれば良いよね?
自分の地位を保つのも、結構大変なんだよ?
笑いたくもないのに笑わなきゃいけないし。
「じゃぁ僕行くね。みんなバイバーイ!」
手を振りながら言えばみんなも返してくる。
これなら明日も大丈夫だね。
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