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「雪が解ける頃にエリカは天使になるの。」
そう言って微笑む。
ふーん。
死ぬんだ。
僕にとってはどっちでも構わないんだけど。
「ユキはなぜこんな山奥に来たの?…あ、分からないのよね。」
エリカは紅茶を入れながら独り言のように呟いた。
「…殺されて埋められた。」
「え?」
「だけどね…雪が降ると生き返るんだ。」
僕の話にエリカは目を丸くする。
「怖い?」
僕の問いかけに首を横に振る。
「いいえ、ちっとも。とても素敵だと思うわ。」
そう言って微笑んだ。
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