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その日、僕達はいつものようにランチをテーブルを囲ってた。
そして、いつになく真剣な?深刻な?表情を作りみっちゃんは言った。
パパとママがそろそろ星に帰るって言ってた。だからもう一緒に遊べない。さよなら、元気でね。
今にも泣き出しそうな震える声に僕もヤスオも突然なお別れに言葉を失っていた。
そしておもむろにみっちゃんは台所に走り出し、引き出しを空け、中からスプーンを取り出して持って来た。
そしてそのスプーンをヤスオに手渡し、それをあたしだと思って大事に持っててと言った。
僕はその時、みっちゃんの気持ちを知った。みっちゃんはヤスオの事が好きなんだ。そしてそのスプーンはみっちゃんのお気に入りのスプーン。
隣にいる僕はやるせなかった。僕も何か欲しかった。だけどみっちゃんの目に映るのはヤスオだけだった。
トイレに行くと言って僕は台所にこっそり入り、引き出しの中からみっちゃんがよく使ってたフォークを取り出しズボンに入れた。僕はそのフォークをみっちゃんだと思って大事にしようと心に誓った。
そしてお別れの日を迎え、みっちゃんは遠い遠い星へ行ってしまった。
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