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妖怪とは嫌というほど関わっていたのに、本来普通であるはずの人とは、ほとんど関わらないまま育った。
だから人の、ましてや家族の温もりなんて知らなかった。
寂しくはあったけど。
心が渇ききった、そんな俺に優しく手を差しのべ、俺を心から迎え入れてくれた、塔子さんと滋さんには本当に感謝をしている。
その土地で入った学校にも、俺を本気で心配したり怒ってくれる友人にも恵まれた。
そしてなにより、俺だけだと思っていた、妖怪が見える人たちにも出会えた。
だけど、気配や影だけだったり、陣の中の妖怪だけだったりと、完全に見えない人もいるようだ。
その2人とは同じ学校の友人だったりする。
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