初恋前編

3/7
前へ
/11ページ
次へ
妖怪とは嫌というほど関わっていたのに、本来普通であるはずの人とは、ほとんど関わらないまま育った。 だから人の、ましてや家族の温もりなんて知らなかった。 寂しくはあったけど。 心が渇ききった、そんな俺に優しく手を差しのべ、俺を心から迎え入れてくれた、塔子さんと滋さんには本当に感謝をしている。 その土地で入った学校にも、俺を本気で心配したり怒ってくれる友人にも恵まれた。 そしてなにより、俺だけだと思っていた、妖怪が見える人たちにも出会えた。 だけど、気配や影だけだったり、陣の中の妖怪だけだったりと、完全に見えない人もいるようだ。 その2人とは同じ学校の友人だったりする。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加