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すると誰かが部屋のドアをノックした。
「あの...自己紹介がまだだったのでお伺いに来ました」
あの女か。
「開いてる…」
俺がそう言うと女はゆっくりドアを開けた。
「先ほどは本当にありがとうございました。私、カノンって言います」
カノン…。
『私はカノン、あなたは?』
不意に昔の記憶を思い出した。
俺は軽く頭を振った。
「あの…名前は…」
「知る必要ない」
俺がそう言うとカノンは驚いた顔をした。
「もしかして自分の名前が嫌い…とかですか?」
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