己の命よりも

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      二人の部屋を…開けた…――― 「…………え?」 月明かりが照らす部屋。 両親が眠る部屋。 そこは、"緋"で 満ちていた。――― 「父、さん?………かぁ…さ…ん?」 むせかえる程の、血の匂い 壁、床、家具、布団 部屋中に飛び散る"緋" ――――…そこに"アル"の…は、ナ…ニ? 壁にもたれ 倒れている………………人。 手には、緋のついた父の愛刀……― …父 の首には、一つの"緋"… そこから全てを染めるような 黒い…黒い緋が流れ ―――…命を奪っていた。 「………っ父さんっ!!!!!!!!!!!!」 何故何故何故何故っ!!!! ―――何が起きているのか 父になにがあったのか―――― 思わず父に、すがり付く。 まだ少し、温かかった……
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