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"お前は代償として死んだのだ。
…それでいいのか?"
「いい。私は、後悔などしない」
"…よかろう。お前は死んだ。
―――しかし、まだ生きてもらう"
「………は?」
意味が、分からなかった。
"何も使わず、考えるだけで
自然を動かす事も
命を奪う事も
命を与える事も出来る。
私には容易い事だ。
お前にこれらが出来るか?"
(…いきなりなんだ?)
「無理だろ。出来るわけがない。」
" そうだ。私にしか出来ない。
しかし私は、お前のように
微笑む事は出来ない。
お前達のように、泣いたり、
笑ったり、怒ったり、悲しんだり、
愛しいものを想う事も出来ない。
お前には、お前にしか出来ぬ事があるのだ。
それをやってもらう。"
「………………は!?
ちょっと待て…意味がわかんねぇ
もぉ…いいんだよ。放っておいてくれ
そんな、命を貰う価値なんて私には…
私にはないんだッッ…ーー」
焦り気味の声が真っ白な空間に響く
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