突然の知らせ

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「お母さんっ!」  ドアを開け放ち、叫ぶ。  お医者さんと看護師さんらしき人が、途方に暮れたようにこちらを見ている。 「娘さんですか」  困った顔のまま、お医者さんが私に近寄る。 「残念ですが、もう・・・」  わかっている。  顔にかけられた、白い布。  間に合わなかった。  なにもかも、無駄だったのだ。 「お母さん・・・!」  私は、カバンを放り出し、うなだれた。  不思議と、涙は出てこなかった。
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