ドロップゲーム

１回戦

「あーそうそう、１つ忠告しておいてやるよ中路。２回戦は団体戦のゲームを行う予定だ。お前のその富永とか言う奴のBグループに一人だけ厄介な奴が居る。せいぜい気をつけろよ。ってそんな事あんたに言っても意味ないか」

背中だけを見せて話していても顔は明らかに笑っているという事が伝わってくる。

「あとついでにもう１つ。幼なじみだか何だか知らないけど、あまり１人のプレイヤーに加担しすぎるなよ……」

「……分かってる」

中路の返事を聞くまでもなく、達海は手を振りながら扉の奥へと消えていった。

薄暗い空間に１人いる中路。

俺は信じているぞ……慶助。

中路の胸には、その思いだけが強く刻まれている。