13年後のクレヨンしんちゃん

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そういえば、よくお母さんに怒られたとき、 ナイショだぞって僕を、こっそりフトンの中に入れてくれたよね。 もちろん次の日には、お母さんに怒られるんだけど、それでもやめなかった。 二人だけのヒミツがあった、きらきらしてまぶしい、夏。 ぼんやりしていたら、ひょいっとかごから下ろされた。 代わりに自転車を押しているしんちゃんのとなりに並んで歩く。 しんちゃんはずいぶん背が伸びて、お父さんと変わらないくらいになった。 お母さんといっしょに使っている自転車が、ぎしぎしと音を立てる。 でも、どんなに大きくなっても、きれいな女の人に目がいくのは変わらない。 こまったくせだなあと思いながらも、どこか安心してる僕がいる。 いつまでも変わらないでいて欲しかった、少しだけ乾いた風が吹く、秋。 寒い冬。 あんまり話してくれなくなった。 おさんぽも、少なくなって。こっちを見てくれることも少なくなった。 見えるのは横顔だけ。 楽しそうな、悲しそうな。ぼんやりした、困った。怒っているような、悩んでいるような。 そんな、横顔だけ。 寒い冬。小屋の中で、ひとりで丸くなっていた、冬。
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