select ＋龍の章＋

problem＋love or like＋

　誰かに言われるがままに行動し、発言を強要されるのは、正直な話あまり好きではない。しかし生きていく上では創造力と決断力は必須。でもそれは大人になってからの事だと思っていた。
　日本で大人と言えば２０歳以降、それまでは両親や祖父母や親戚が子供の尻拭いをするのが義務だとされているが、人の親になる権限はそれと異なる。
　女は１６歳、男は１８歳。子供を産み育てる必要性が出てくればそれこそ歳なんて関係なく、子供の発育を考えて下ろすと言う選択肢が活用される。
　この時の尻拭いと言えば手術費の話とか、これからの２人の関係性とか意味もなく掘り下げられて女は嫌な思いをした上に圧力を掛けられる。っと言うのも今、まさにそんな状況なのだ。
　先ほどから行われている家族会議の中で従姉の藤崎由美さんや彼氏さんの岡田巽さんは青ざめている。そんな席に何故か俺も同席している訳なんだが……、話をろくに聞かず大金を貸した母親の変わりに……。

｢で、修平君はどう思うとね!!｣

って叔母さんに言われても、

｢不正出血が診られても、今の段階で長期入院代が払えないからと言って下ろさせたのなら、別に２人の仲まで引き裂く必要はないと思います｣

　これが正解だと思った。従姉は１７歳と言う若さで俺が通う桜北学園の大学院に所属、あと１年もすれば卒業だが、単位はクリアしているだけに卒業論文さえきちんとしていれば問題ない。彼氏さんは２１歳で桜北の建設業で真面目に働いている。
給料は大声では言えないが、３人家族を多少の贅沢をしようとも養っていくのは容易くできるだろう。