problem+love or like+

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ガラガラガラッ 「お帰りなさいませ、留守中に勝手にお邪魔して申し訳ありません」  俺がドアを開けると、高等部生徒会の 先輩方が《何故か》仕事をしていた。 「アリス先輩これはいったい……?」  律儀に謝罪をし頭を下げてくれたのは村岸アリス先輩で肩書き『証人』。頼斗と同じく生徒会経理が担当でPCが普及した今でも領収証や帳簿は全てノートにも記している。本人曰く何らかの方法でPCの名簿が改竄されても一目瞭然。 ノートまで書き換えはアリス先輩の管理上、不可能であるからにして不正は努力で見抜くべしと言う事らしい。 「高等部入学式の準備が思いの外早く終わりましたので、勝手ながらお手伝いをと思い参上致しました」 「あ、ありがとうございます。助かります」 「ねぇそんな事より、何か食べ物ない?」  中央に設置された足の小さな机に向かいホッチキスで栞を作成をしながらアリス先輩の変わりに答え催促しているのは熊野春花先輩、肩書き『賭博師』。  学校運営において無難な橋ばかりは渡ってはいられない。自分達の目で業者と関わり、イベントを盛り上げていかなければならない中で大事なのは目の前の相手を信じるかどうかの賭け。子供相手と言う詐欺があるのも事実だからだ。  しかし、一度のイベントで何十万、何百万と言うお金が動くだけにその責任は小さくはないが、そんな役目を自ら進んで負い、人望を築き上げる彼女の名は学園を越えて呼ばれているとも言われている。
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