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「あぁ……皇帝……大丈夫?」
熊野先輩が鹿野先輩の頬を突いたが反応が無い。
「キスしてあげましょうか?」
愛美は鹿野先輩の耳元で囁くとすくっと立ち上がり、両手を広げた。
「さぁ、来るっちゃ」
「お断りいたします」
にっこり愛美が断ると、宍戸先輩が
笑いながら、
「諦めなよ、あんたの頭に馬が乗るよ」
なんて言うものだから皆は爆笑した。
解釈的には、鹿野智治の上に馬→馬鹿の智治となる。
「笑っている場合ではありません。入学式まで時間がないのです。皆さん、もう少し真剣にお手伝いしませんか?」
そのギャグに笑えなかったアリス先輩は困ったように近づいてきて、潤んだ表情を浮かべた。
「じゃ俺は昼食を王妃と作ってくる」
鷹野先輩は愛美をエスコートするように給湯室へ、
「春香はこっち来て手伝え」
「了解」
犬飼先輩と熊野先輩はデータ分析とその整理。
「あの……、王はこちらで栞作成を
お願いできますか?」
「いいですよ」
俺はテーブルに向かい栞作りの作成。そして、頼斗や蘭が帰ってくる頃には日は沈みきり、夕食を食べながらパーティのような賑わいを見せていた。入学式まであと一週間。ドタバタしながらも仕事は終った。
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