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演説を続けながら時々回りを見渡せど、聞いているやっぱり人は少ない。
そんな事よりもセレブ学校に通うと言う肩書きに満足し、あとは卒業まではそれなりに楽しめればと思っているものが大半を占めているのが事実。
「我が校では完全寮制度を導入し、部活や勉強などを好きな時、好きなだけ行える環境を取り入れております」
実際、俺もそうだった。
入学できた事に感動しそれこそ世界の頂点をとった気で居た。その証拠に自分が1年の時の頃、周りを見下していたような気がする。まさか、その俺が今こうやって演説をするのはお門違いのような気もするが、愛美の命令に逆らえなかったからと言うのも男として情けない限りだ。
「将来を約束されました皆様が今後もより活躍されますよう教員は勿論、我々も色々な視点よりバックアップをさせていただきます」
結局俺は親に言われるがままにこの学園に入学し、友に言われるがままに部活に入り、先輩からの誘いを断りきれずに生徒会に足を踏み入れ、自分が思い描いていた幸せとかけ離れた生活が3年目を迎えた。
「最後になりましたが、新入生の親御様、御子息のご入学おめでとうございます。我が校に入学されました事を誇りに、これからも暖かい目で学園生活を見守ってくださればと思います。
以上をもちまして私からのご挨拶の言葉と変えさせていただきます。
ご清聴ありがとうございました」
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