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俺もまた別の事をしながら答える。
なんせ、入学式が行われる一週間以上前から俺らは兎に角忙しかった。
自分が作成した書類以外は話し合った筈なのに内容を全く覚えきれていないし、座っておちおち多数決なんて取っていられなくて2名以上の賛成で意見を可決していた。
(僕も会長に賛成です)
頼斗の言葉で席順は自由席で可決。
(うわぁwでたビバ適当!!)
(うるせぇ!!無駄口叩く暇があるなら、手を動かしやがれ!!)
その結果、今のこの状況を招いたのは自分だと改めて認識させられため息をついた。
「俺の阿呆……」
1つのクラスには40人の生徒が在籍し、試験の成績でAからEに分けられている。つまりは最低200人以上は居るであろう1年の校舎で君を探している訳なんだが、会える可能性は極めて低い。
それでも、
゛必ず見つけてみせる!!゛
だの、
゛これは運命なんだ!!゛
なんて意気込んで居たのは初めだけで、一週間が経とうとしている今ではすっかり諦めモードが漂い始めていた。
「あと2日探して見つからなかったら諦めようかな……」
窓際の手すりに両腕を置いて、雲ひとつない空を見上げて黄昏てみる。
「ん……?」
向かいの3年校舎の3階に見覚えのある髪色が見えた。
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