3人が本棚に入れています
本棚に追加
/70ページ
「修平君はこちらの見方じゃないと!?」
「俺は、母さんの意思を伝えに来ただけだから。
それに母さんの話だと、子供を思い覚悟があるなら入院費を貸すよって話だったらしいけど、病棟から連れ出したのは叔母さんでしょ?傷つけたのは貴女達も変わらない。本当にこの2人が愛し合っているならば、貴女達が本当に幸せを願うなら、結婚を認めてあげたら良いじゃないか!!」
つい、ムカついて勢い良く口から出た言葉は回りを凍らせて叔母さんの心には火を付けたらしく、
「なら、3人とも出ていきなさい!!」
始まって15分で会議に幕を下ろさせた。家を出て学園までの帰り道、由美さんと巽さんが居るのにも関わらずひたすら後悔に苛まれ溜め息ばかりつく俺の背を由美さんは思いっきり叩いて渇を入れた。
「しっかりしろ!!さっきまでの威勢はどうした」
「いや、これで2人が別れる羽目にでもなったら俺立ち直れない……」
「別れないわよ。ねぇ~」
「そうだね、別れる云々は考えた事はないし、意外なところに味方もいたしね」
「そうだぞ!!嬉しかったんだから私は、最もうちの親があれで引くとも思えないけどね。さて、今からどうしようかな~」
呑気に伸びをしながら前を歩く2人の背中は、幸せそうに見えた。
「結婚式には呼んでくれよな」
「当然」
振り返り笑顔を見せる由美さんは、本当に幸せそうだった。
「あんたも早くお嫁さん見つけなさい!!」
「俺はまだ14歳だ!!」
なんて言った俺はふと自分の事を考えてみた。結婚なんて分からなくても、恋愛ぐらいは出来る歳だと思っている。
「恋ね……」
頭に過った愛美の笑顔。俺と彼女の関係を言葉にしたらいいんだろうか。
最初のコメントを投稿しよう!