problem+love or like+

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 宇佐美愛美。中学1年の5月に出会って以来、早くも3年目の付き合いになろうとしている。超難題と言われる国立桜北学園の編入試験を受け、難無く全教科満点で合格し、引っ越しまでして来る人は地域の人にしてみれば珍しくて、容姿やその立ち回りは大人顔負け。中等部から来たとは思えない程、多くの人に好意を寄せ、頼りにされていた。  そんな彼女は半年ぐらいまでは方言を封印し標準語で話かけられていた。俺と違って使い慣れている感じで心地よいとさえ思った。それがいつの間にか関西弁で話しかけられるようになり、俺の中ではこんな美人な子と打ち解けてたと舞い上がったていたのを、今でも覚えている。  いつも隣で笑ってて、学校にいる時間の殆どは生徒会の仕事をこなしながら時には買い出しを一緒にしていた。それが恋愛をしているかどうかと聞かれれば少し違っているようにも思える。  云わば友人以上恋人未満の関係なのだが、そこにはドキドキよりも安心感の方が高まり、どちらかと言うと良き理解者と言った方がしっくりくる。  互いに近づけない領域を持ちながら干渉は絶対にしない、そうやって互いに支えあってきた。ちょっと過激な部分はあるけど、そんな事ですら強がりに見えて可愛い奴なんて思ってしまう。
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